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触手回廊
第4章 獣

遠巻きに現場を観察していたが、一向に獣の数が減らない。
そして、臭い。
形容しがたい匂いが、辺りに充満していた。
嗅いだとこのない匂いは、次第に濃厚になっていく。何の匂いか分からず、だからといって見に行くことも出来なかった。
そうこうしている間にも、新たな獣達が集まってきている。
この洞窟には、いったいどれ程の獣が生息しているやら……そんな事を考えながら、接触を避けるために動き回る。
その時、一瞬、燃え盛る炎のような真紅が見えた。
獣達の間に偶然生まれた、細い隙間。
その先に、真紅の糸が見えたのだ。
嫌な予感が頭をよぎる。
フレアの髪の色も、ちょうどあのような色だった。
確認したい。
確認したいが、近寄ることが出来ない。
中の見通せる場所を探し、歩き回る。
不意に、何かに右足を取られた。
転びはしなかったが、風の結界が解かれてしまった。
足元。
風による不可視の結界、気圧の刄双方の、最大の弱点である。
その弱点から、地上でも襲われた触手に、結界への侵入を許してしまったのだ。ウィンの隙を突いた触手は、素早い挙動で足に絡み付く。
そして、臭い。
形容しがたい匂いが、辺りに充満していた。
嗅いだとこのない匂いは、次第に濃厚になっていく。何の匂いか分からず、だからといって見に行くことも出来なかった。
そうこうしている間にも、新たな獣達が集まってきている。
この洞窟には、いったいどれ程の獣が生息しているやら……そんな事を考えながら、接触を避けるために動き回る。
その時、一瞬、燃え盛る炎のような真紅が見えた。
獣達の間に偶然生まれた、細い隙間。
その先に、真紅の糸が見えたのだ。
嫌な予感が頭をよぎる。
フレアの髪の色も、ちょうどあのような色だった。
確認したい。
確認したいが、近寄ることが出来ない。
中の見通せる場所を探し、歩き回る。
不意に、何かに右足を取られた。
転びはしなかったが、風の結界が解かれてしまった。
足元。
風による不可視の結界、気圧の刄双方の、最大の弱点である。
その弱点から、地上でも襲われた触手に、結界への侵入を許してしまったのだ。ウィンの隙を突いた触手は、素早い挙動で足に絡み付く。

