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触手回廊
第5章 村長②
疾走する。

目指していたターゲットとの間に、ホムンクルスが割り込んでくる。
威力が足りないと直感し、メイスの表面に氷の殻を作り出して重くし、遠心力を生かして横凪ぎに振り抜いた。
ホムンクルスはメイスを受け切れず、壁まで吹っ飛んで沈黙する。
さらに割り込んできた2人めのホムンクルスの拳が、反して振り上げられたメイスと交錯し、メイスはホムンクルスの腕をいともたやすく押し切った。
ホムンクルスはもろにメイスを受け、ターゲットの頭を越えて天井に叩きつけられた。
ターゲットを直視する。
距離にして約七歩。
ターゲットは杖を構え、呪文の詠唱中。
少し前の地面には、すでに魔方陣が完成しかけている。
口から無意識に呪文が紡がれる。
ターゲットの足元が冷気を纏った。
地中から現れた氷山は、蔦の床の上から、天井を穿った。
寸でのところでかわしたターゲットとの距離は三歩。駆け寄って、メイスを振り上げる。
さらに呪文が口を付いて、振り下ろすメイスに、さらに氷が付着する。
メイスが、止まった。
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