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第5章 村長②

「残念でしたねぇ」

嘲りの笑いを含んだ声が、耳に入る。
メイスの一撃で葬るつもりだった村長の顔は、邪悪な笑みを浮かべていた。
アクアが睨み付けても、どこ吹く風である。
アクアは新たにあらわれた障害を排除しようと、メイスを振り回して乱打する。

新たにあらわれた障害は、低級の悪魔だった。
本来悪魔は、サモナー（召喚術師）でも呼び出すことは出来ず、契約をするしかない。
だが、魔術師ではない村長は、いかに低級でも、悪魔を召喚した。
種はあの杖にある。
それが分かりながら、どうにもならない。
憤りを感じながら、アクアは村長を睨み付けた。

「やはり、兄妹ですねぇ。
その顔、貴女のお兄さんにそっくりです」

そう、アクアの兄、ヒートを亡き者にしたのは、この男だった。
乱打は軽くあしらわれ、悪魔はその尾を振るってアクアに反撃する。
メイスで受けたが、あまりに重く正確な攻撃は、完全には受けきれなかった。
メイスごと押し切られ、背中から床に投げ出される。床を転がりながら態勢を立て直し、追撃してきた悪魔をメイスで迎撃した。
改心の当たりで、悪魔をKOした。
村長に視線を戻すと、さらなる召喚が行われていた。