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親友が襲われまして・・・・
第8章 何色の日々
その日の昼休み、廊下を走る一人の生徒を何人もの生徒が目撃した。
しかし、それが誰とはわからなかった。
足が速く、気づいたときには視界から外れているということも多々あり、それが女子ということがわかったのも一握りだった。
その一握りの中のほんの数人は、彼女の顔を奇跡的に確認し、それが見たこともない『美人』だと認識する。
マスクなど、豊にはずされ、飛ばされていった。
まして、その誰も知らない謎の美少女が、知らない人がいるわけのない、不良だということは、知るよしもない。
別館四階、旧ロッカールーム前。
美恵はぜぇぜぇと息を切らしながら、ボロボロになった旧ロッカールームの前で壁に寄りかかった。
ここまでくれば大丈夫だろう。
走る先々で豊や拓也に遭遇し、その度に全力で逃げ、今に至る。
寄りかかった横には掃除用具入れのロッカーがある。
額から流れる汗を拭く。午後の授業はサボろうか、と考えた。
ロッカールームの奥には本館と別館を繋ぐ渡り廊下があるが、そこを通る奴なんていない。
昔は別館で部活している部も多くあり、ロッカールームに荷物を置いていたらしいが、今では邪魔以外の何者でもない。
「ふぅ・・・・・」
口から吐息が漏れたとき、静かに足音が聞こえた。
彼女の体が少しだけ揺れた。
しかし、それが誰とはわからなかった。
足が速く、気づいたときには視界から外れているということも多々あり、それが女子ということがわかったのも一握りだった。
その一握りの中のほんの数人は、彼女の顔を奇跡的に確認し、それが見たこともない『美人』だと認識する。
マスクなど、豊にはずされ、飛ばされていった。
まして、その誰も知らない謎の美少女が、知らない人がいるわけのない、不良だということは、知るよしもない。
別館四階、旧ロッカールーム前。
美恵はぜぇぜぇと息を切らしながら、ボロボロになった旧ロッカールームの前で壁に寄りかかった。
ここまでくれば大丈夫だろう。
走る先々で豊や拓也に遭遇し、その度に全力で逃げ、今に至る。
寄りかかった横には掃除用具入れのロッカーがある。
額から流れる汗を拭く。午後の授業はサボろうか、と考えた。
ロッカールームの奥には本館と別館を繋ぐ渡り廊下があるが、そこを通る奴なんていない。
昔は別館で部活している部も多くあり、ロッカールームに荷物を置いていたらしいが、今では邪魔以外の何者でもない。
「ふぅ・・・・・」
口から吐息が漏れたとき、静かに足音が聞こえた。
彼女の体が少しだけ揺れた。