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親友が襲われまして・・・・
第10章 君と過ごす土曜日
時刻は10時5分前。


お洒落な街の中を、皆を振り向かせながら小走りになる女性が一人。


長い黒髪を風になびかせ、時計を見ながら白いヒールをならす彼女は男性の理想の女性像だった。




目当てのケーキ屋に近づき、それらしき人がいないことに安堵し、息を調えながら歩きはじめた。



ドイツ風の建物のケーキ屋の前には今、女性の姿はなかった。


しかし、少しばかり人が多い気がする・・・・・。


ケーキ屋の前に静かに佇む男性に皆の視線が集まっている。





余程かっこいい人なのだろうか・・・・。緊張ぎみに少し離れてケーキ屋の前に立った。








横目でちらりと見ると、ついじっと見つめてしまう。


思わず息をのんだ。






帽子を被っているものの、美青年であるということはわかった。しかも、自分と同じくらいの年齢だろうか・・・・・?



茶髪で華奢で、脚が長くて、私より身長が高くて・・・・・。







「かっこいい・・・・」


小声で呟いて顔をそらした。


彼の視線が痛い。
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