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親友が襲われまして・・・・
第12章 妖魔の日曜日
「・・・・・やけに素直なんだな」


「・・・何が?」



「俺がお前を誘ったら、前はあんなに嫌がってただろ?」



「・・・・誘う?違う。それは強制的な・・・」



「・・・つまり?」


美恵は山菜を頬張りながら、目をそらした。


「抵抗しても無駄だってこと」



「目を合わせないってことは本心なのかな?」


握ったフォークで皿の上で転がるミニトマトを指した。


果汁がとくとくと溢れでる。


「・・・・・」





トマトを口に入れて、豊は考えた。


癖を必死に隠そうとしている、と。


指摘され続け、意地を張り、こういう態度なのだと。



顔を見ればわかる。



一人のウェイターが新しい料理を運んでくる。



「豊様、季節の野菜を使用したスープは如何ですか?」


「ん。頂こうか。美恵は?」


無言で頷く美恵。


「置いていってくれ。二つ」


「はい」


ウェイターが静かにテーブルの上にスープを置く。



豊はナプキンで口元を軽く拭きながら、美恵を見た。


スープの登場に、僅かながら歓喜している。










可愛い。そういえば最近はずっと、美恵を見ている気がする。

でもその全てが新しく、彼女のことをもっと好きにしてくれる。


・・・もっと好きにしてくれる。
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