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親友が襲われまして・・・・
第12章 妖魔の日曜日
体中が疼く。

切ない疼き。

甘い疼き。




それが辛い。


こんなに切ないのは嫌・・・


それに、豊に触られる手から、ほのかな痺れが全身に広がっていく。


手を触られているだけで・・・・『感じて』いる?



・・・・嘘だ。


嘘だ嘘だ



こんな奴に・・・・こんなに感じてるなんて・・・



こんな奴を・・・求めているなんて・・・・・・






ズリズリッと音がして、椅子が倒れる。美恵は最後の力を振り絞り、後ろに倒れさせた。





・・・・が、倒れてからは、一ミリも動くことが出来ず、体が鉛のように重くなった。


「はっ・・・・はっ・・・・」



豊は美恵に近づき、彼女の体を持ち上げた。


背中と膝から、甘い痺れが広がる。



「あっ………//////」



昨日と同じ持ち上げた方。


昨日よりも奪うような、強引な抱きかかえ方。



頭は後ろに反り、顔が豊の方へ向くような形になった。



そのままレストランを出た。
ウェイトレスは何も言わず、見送った。


茶色い短い髪が、僅かに風になびいた。


「何を……っ飲ませた………」


「・・・・俺が調合した媚薬、さ」


「び・・・やくっ・・・!?」


「薬品は身近にあるのさ・・・・・」



まだ太陽がさんさんと輝いている。


そんなときにこう歩いていれば、すぐに目立つ。



しかし、ある脇道に入ったとき、すっかり静かになった。



「じゃあ・・・はっ・・・・おまえが・・・のんりゃのは・・・・!?」



「あれか?あれは・・・・『精力剤』、といったところかな。お前なら疑って交換を持ちかけると思ったよ」



「・・・!」


美恵の口調がとろけていく。



そして、幾多の角をまがり、辿りついたのは・・・・。








「こういう洒落た街でも、少し離れればこういう街になるんだな」








ラブホ街だった。




この街が栄えているわりに、治安が悪いのはこういうところがあるからではないのか、と美恵はぼーっとしながら考えた。
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