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親友が襲われまして・・・・
第7章 犠牲
それから数十分後・・・・・。

「美恵ー、あがったよ~」


風呂での感傷的な気持ちを忘れるように、能天気な声を出す。

「・・・美恵!?」


ふと目をやると、すぐ足元で女性が体育座りをしていた。


全身の血の気が引いていく感じがする。

彼女の肩に手をのせ、揺らす。



ぱたり、と彼女の体が倒れる。



「っ!やだっ!!美恵!?」

慌てて彼女の顔をみる。



「ん・・・・?遙?どしたの・・・」

私に負けないくらいの能天気さで、眠そうな顔を見せる。

そして大きな欠伸。


膝から私は崩れおちる。
心配して損した。
・・・・安心した。


ただ眠っていただけのようだ。



「んー・・・じゃあ入ってくる」

飛び起きて、彼女は風呂場に進んでいった。


「先に寝てていいよ、遙。この後ちょっと出てくるから」

服を脱ぎながら美恵は言う。


「え?こんな時間に?」


時計はもうすぐ夜11時。


「・・・あぁ。訳わからない奴にからまれた」


また喧嘩だろうか。
本当に男性とやりあえるのは凄い。
・・・男性・・・・・・?


「変なこと・・・しないよね・・・?」

思わず口からこぼれる。
あれ、私、美恵のこと、疑った・・・?


彼女は一瞬だけ動きをとめて、言った。
「喧嘩は変?」

ガラス越しでよく見えないが、彼女の影は私の目を睨み付けるように、見つめていた。




そうだよ、美恵が私を騙すわけないじゃん。

幼い頃から知ってるのよ。

彼女の優しさも、強さも・・・・。

でもね、美恵。

貴女の癖は、人の目を睨むように見つめてしまうこと。

話の核心をつかれたり、嘘をついたときに・・・・・。

嗚呼。

何て私は汚い心を持っているんだろう・・・・・・?
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