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第1章 崩壊の足音

始業の合図が鳴り響き、教室は再び静けさに包まれた。

教師の声と筆記用具の音、そしてときたま欠伸が聞こえる。


昼からの授業なんて睡魔が襲うだけの無駄な時間だ・・・・・そう頭の中で呟いているのは、ノートもひろげていない茶髪の生徒。


彼女は机の上に頬杖をつき、窓の外を眺めていた。

窓際の席からは閑静な住宅街とこじんまりとした丘、遠くには少しだけ大きなデパートが見える。




「・・・・この問題を・・・・」

そう生徒達のほうに振り返った眼鏡の教師は、真っ先にぼーっとしている美恵が見えた。



「相川、お前だ」


周りの生徒達は無言だったが、空気が変わったことは誰でも理解できる。




が、美恵は淡々と答えた。遙の教育のおかげだ。