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親友が襲われまして・・・・
第7章 犠牲
その場にいた誰もが、その足音の方へ向いた。

振り上げた拳は、空中で止まっていた。

口々に、誰だと叫ぶ男たち。


美恵はその方向を見ていたが、誰かはすぐにわかった。

何度も否定はしたが、可能性は消えず、複雑な気分になった。


心の奥で、助けてくれるのは彼だ、と思ってしまっていたことを、彼女は知らない。





暗闇と視線の先に立ったのは、一人の男。



華奢だが、鍛えられているということがわかる肉体。

誰から見ても、美しいとわかる顔。


美恵にとっては、いつもどおりのむかつく笑顔。




「・・・・・何、何か用?」


「ん・・・あぁ、美恵か。どうした、そんな姿で。遊んでいるのか?」


豊の声は、ごく普通だった。
それが美恵に安心をもたらした。

やはり彼女も焦っていたのかもしれない。



「誰だてめぇ・・・・・・」

他校の生徒数人は何も知らず豊に近づくが、同じ学校の生徒たちは逆に彼から離れていった。



「何お前ら下がってんだよ!!こんな優男・・・・・・」


そう言っていた男は地面に倒れた。周辺の男たちも次々と。




「こいつ・・・・やっぱり伊修院だよ・・・!あの・・・・」



不良たちの体は震えていた。

そして豊は口角を上げるのだった。
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