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【SS企画】みんななかよし
第11章 【SS企画】朱羽と木島が、陽菜の前でディープキスをする
 


 Syuu side



 ぶっちゅう!!!

 その後に続くのは、ホラー映画でで未知なる生物が、体内に侵蝕する時のような、不快極まりない不可解な音。

 俺の意識がすっと遠くなる。


「駄目っすよ、課長! まだまだっす!!」

 なにを勘違いしたのか、唇を離した木島くんは、さらに大きく不快な深いものをしてくる。

 俺の指先が震える。

 足がカタカタする。


「木島くん、もうやめて! 朱羽が死んじゃう!」

「駄目っす、課長はいま気持ちよくなっているところっす」

「どこが気持ちよさそうなのよ! 血の気が引いた真っ青な顔で鳥肌たてて、拒絶反応にぷるぷる震えているじゃない!」

 陽菜、さすがだ。
 ありがとう、俺をよく見ていてくれて。

「え? 気持ちいいっすよね? 今イケナイ世界に入りかけているっすよね?」

 ……木島くん。
 きみはまるでわかっていないようだね。


 窓の奥では、モモが佐伯さんの腕を掴み、俺達を指さしてなにかを懇願している。あ、土下座した。


『仕方がねぇな、やめぃ!』


 その号令で、執拗な魔手を伸ばそうとしていた木島くんの、ぬるぬるとぬめぬめの中間くらいで蠢く唇が完全に離れた。

 くらり。


「朱羽、死なないで!!」

「大丈夫……、あなたを残して逝かないから」

「朱羽……」


 ありがとう、モモ。

 お前が止めてくれたんだね。

 願わくば、思いっきり木島くんの触手が俺を蹂躙する前に、もっと早く止めて欲しかったけれど。

「まだまだしたかったっすね、課長」


 俺は脱力しきっている身体で、なんとか頭を横に振って、その意見に抵抗した。

「またまた~、そんなに潤んだ目で!」

 潤んでいるのは、拒絶の涙だ。

 それもいえない俺。

「朱羽、今日はもう帰ろうか。ゆっくり寝てなよ」

 俺は渾身の力でぶんぶん、ぶんぶんと頭を横に振る。

 俺が頑張った甲斐がないじゃないか。

「いつでも会えるんだし。よし、そうしよう」


 ぶんぶん、ぶんぶん。
 
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