この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS企画】みんななかよし
第11章 【SS企画】朱羽と木島が、陽菜の前でディープキスをする
Syuu side
ぶっちゅう!!!
その後に続くのは、ホラー映画でで未知なる生物が、体内に侵蝕する時のような、不快極まりない不可解な音。
俺の意識がすっと遠くなる。
「駄目っすよ、課長! まだまだっす!!」
なにを勘違いしたのか、唇を離した木島くんは、さらに大きく不快な深いものをしてくる。
俺の指先が震える。
足がカタカタする。
「木島くん、もうやめて! 朱羽が死んじゃう!」
「駄目っす、課長はいま気持ちよくなっているところっす」
「どこが気持ちよさそうなのよ! 血の気が引いた真っ青な顔で鳥肌たてて、拒絶反応にぷるぷる震えているじゃない!」
陽菜、さすがだ。
ありがとう、俺をよく見ていてくれて。
「え? 気持ちいいっすよね? 今イケナイ世界に入りかけているっすよね?」
……木島くん。
きみはまるでわかっていないようだね。
窓の奥では、モモが佐伯さんの腕を掴み、俺達を指さしてなにかを懇願している。あ、土下座した。
『仕方がねぇな、やめぃ!』
その号令で、執拗な魔手を伸ばそうとしていた木島くんの、ぬるぬるとぬめぬめの中間くらいで蠢く唇が完全に離れた。
くらり。
「朱羽、死なないで!!」
「大丈夫……、あなたを残して逝かないから」
「朱羽……」
ありがとう、モモ。
お前が止めてくれたんだね。
願わくば、思いっきり木島くんの触手が俺を蹂躙する前に、もっと早く止めて欲しかったけれど。
「まだまだしたかったっすね、課長」
俺は脱力しきっている身体で、なんとか頭を横に振って、その意見に抵抗した。
「またまた~、そんなに潤んだ目で!」
潤んでいるのは、拒絶の涙だ。
それもいえない俺。
「朱羽、今日はもう帰ろうか。ゆっくり寝てなよ」
俺は渾身の力でぶんぶん、ぶんぶんと頭を横に振る。
俺が頑張った甲斐がないじゃないか。
「いつでも会えるんだし。よし、そうしよう」
ぶんぶん、ぶんぶん。