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【SS企画】みんななかよし
第13章 皆で節分!
 
 

ナツside


「さあ、みんな。今日は節分だよ? 準備はいい?」

「「「OK」」」

 佐伯家のリビングが大勢の訪問客で賑わっている。

 机の上には沢山のごちそう。

 全部僕が用意した……と言いたいけれど、集まる人数が人数だけに、僕の母さんだけではなく、早業名人の鹿沼さんが手伝ってくれて、さらにサクラとサクラの従兄の朱羽さんが手伝ってくれた。

「おお、ネズミ料理はあるのか? 我の好きなネズミは?」

 白いふさふさのイタさんが、テーブルの上に立ってあたりを見渡す。

「イタちゃんには特別製があるよー、じゃーん!」

 しーちゃんが見せたのは、ユウナさんとしーちゃんの崩れたおにぎりの集大成。それを僕がくっつけてみるとネズミの形になったことから、急遽イタさん用のおむすびになった。

 それをユウナさんのお手伝いにきたサクくんが、ふりかけと間違えてカラフルチョコを振りかけてしまったけれど、イタさんはくりくりとした黒い目を動かしてから、ぽたぽたと大粒の涙を零す。

「我のために作ってくれたのか……」

 ……結果オーライ。よかったね、しーちゃん、ユウナさん。

 しかしイタさん、ネズミの形ならなんでもいいんだね。


 リビングの片隅では、結城さんが工作をしている。

 赤鬼のお面を作っている。

 それを朱羽さんが覗き込んで言った。

「結城さん、絵心ありますね」

「そんなことねーよ。こういうの木島が得意なんだが、木島遅れるっていうから、俺が書く羽目になっちまって」

 ……あまり迫力ない、可愛い鬼さんだ。
 サン○オにいそうなかわいらしさだ。

「結城さんはいいですよ、俺が書くと……」

 朱羽さんが鉛筆でさらさらと描いて結城さんに見せたのは、影がついて睫毛ばっさばっさのリアル鬼。怖い。なんだかそのまま飛び出てきそうで怖い。お兄ちゃんの次に怖い。

「……お前、病んでるな?」

「やっぱりそう思います?」

「イタ公さんともふもふして心を浄化してこい?」

「そうですね。イタ公さん、イタ公さんは……」


 わいわいがやがや僕のおうち。

 さあ、今日も僕のお手製おせちを作りますか♡
 
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