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【SS企画】みんななかよし
第5章 【SS企画】①ハルとモモが初恋の話をする
『いや、いやいやいや。でもEDの不安があるのなら、いい精神科医紹介するけど。催眠療法が得意みたい』
「いらねぇよ。俺だって腕がいい(らしい)精神科医のダチがいるんだよ。奇遇だな、そいつも催眠療法だとかいうのが得意な奴だった。流行ってるのか、催眠療法」
『へぇ。催眠療法って凄い効果で、あたしの嫌な記憶、10年近くもちゃんと抑えてくれてたんだ。かなりあたしの院長先生は凄腕だよ』
「ほう?」
『あれ、確か結城のお母さんの妹の婚約者だったよね』
結城が頷いている。
婚約者というから、俺のダチの御堂の婚約者の元ヤンを思い出してしまった。なにか結城が、あの元ヤンに似ているような気もしたが、きっとそれは気のせいだろう。
『今度あたしが通ってるクリニックの院長先生を教えて上げるわ、佐伯先生。催眠療法で絶倫になっちゃって』
「お、さんきゅ。これで俺もED知らずだ。シズに栄養をつけさせてやれるな、はははは」
『シズちゃん、栄養ってなに?』
慌てるシズを見ながら、俺は満足げにタバコを吹かした。
……アホタレ。
俺の気持ちは、直接お前に言う。
すべてのしがらみを解決して、それからになるが……それでも、兄でもお隣さんでもなく、ましてや研究対象の淫魔を飼う立場からではなく。
12年も眠り続けたお前を目覚めさせるために、どんな苦労をしてきたのか。どんなに心身的にダメージ食らいながら毎日お前に語りかけ、お前への愛情を再確認していたのか。
お前を生かすためにお前を抱く立場になった俺が、29年にして初めて神聖なものに手を出すことに、どんなに歓喜に戦きながら、お前を愛でているのか。どんなに身体で愛を伝えていたのか。
冗談ではなく、お前に伝えたい。
アホタレでもわかるような、真剣な言葉で。
こんな大勢の人間がいる前ではなく、ちゃんと然るべき時に。
……見てろよ、余裕ぶっこいて笑っていられるのも今のうち。
狙った獲物は逃しはしねぇ。
それが俺、佐伯波瑠だ。
俺の人生をかけて、お前を狩ってやる。
お前がどこに逃げようとも、逃しはしねぇ。
本気になった俺から、逃げられると思うなよ?
( ̄+ー ̄)y─┛~~ Haru