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【SS企画】みんななかよし
第9章 【SS企画】③サクとイタ公がH話をする
 

 そんなことを思い出してたら、声が聞こえた。

『本当はユウナちゃんが司会だったけれど、ユウナちゃんがカタカナ読むの辛そうだから、代わってシズル、行きます!!』

 いつも元気がいいシズルだが、シズルはインマという魔物らしい。

 さすがは卑猥魔王兄弟、魔物を従えている。あの魔物は卑猥魔王兄弟の奴隷なんだろう。魔物が姫様の友達というのも複雑な気分だが、イタ公を可愛がってくれている優しい魔物なら、瘴気を放つことがないのかもしれねぇな。

 上の方にある硝子窓の奥から、シズルが俺らを見ている。

『サクくんとイタ公ちゃんが、ふたり揃ってえっちな話か。ふたり最後までえっちしたことあるの? あ、司会の質問にはきっちり答えないと、ヒロイン……ええとユウナちゃんと結ばせてくれないって。作者さんが』

 カナタ!!

「っ!!!」

 ……って、イタ公。なんでお前まで顔色変えてるんだよ。

 まさかお前も、姫様とはっぴーえんどとかいうの期待していたのか!?

 お前、俺の恋敵か!?

『はい、答えてね』

「ねぇけど。な、イタ公」

 そう、椅子にちょこーんと素彫っているイタ公に声をかけると、イタ公が小せぇ頭をちょこっと動かし、目をくりくり動かしながら俺を見た。

「我はあるぞ」

「はああああ!? えっちだぞ!? 交わりだぞ!? 睦み合いだぞ!?」

「ああ。小僧がいつも残滓ばかり姫につけてる以上のことよな?」

「……っ」

「我も子孫を残さねばならぬのだ。あまりこうした生々しい生殖行為は口に出したくなかったのだが、仕方があるまい」

 イタ公がため息をついた。

 ……なんだかイタ公が、大人に思える。

 こんなに可愛い顔しているくせに。くいっくいっといつも頭を動かして興味津々にしていたくせに、なんだよそのにやりとした顔は。

 まさかイタチのくせに色気を出そうとしているのか?

 もしかして、シュウの匂いをまとったから、妖艶になっていくのか?
 
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