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【SS企画】みんななかよし
第9章 【SS企画】③サクとイタ公がH話をする
 

 


 ITAKOU Side



 ……茶は美味い。

 とっぴんぐというもので、すっぱい梅とかいうものやら、昆布とやらとか入れたらいいらしい。

 どれどれ。

 おお~、ここにネズミがあったら最高だ♡


『はい、ではサクくん。唇にキスしたことありますか? 接吻です。きゃー!』

 インマシズルが言った。

「接吻は……」

 姫様がこっちを見てる。

「ねぇよ」

『本当に? 一度も?』

「ねぇったら。俺がする時は、相手の心を貰えた時だ。それ以外は、ただの暴力だからな」

『暴力? 僕は僕なりの愛情表現なんだけどな』

 卑猥魔王(弟)が首を傾げながら言った。

『サクくんは、暴力と思うんだ? サクラは?』

『一方的すぎるのは嫌だな。朱羽さんは?』

『俺は……こっち向いてという意味でもキスは大事だなと思うけど、向いて貰ってからは、愛情表現になるな。……愛するひととのキスは、溺れる』

『うわっ、香月くんの愛情表現、頂きました!! 陽菜ちゃん、腰砕けです!』

 インマシズルが、壁をばんばん叩いて悶えながら言った。

「愛情表現ね……」

 小僧がなにやら考え込む。

「それでも俺は、誓いでもあるからなあ」

 小僧の中身は十九歳だが、育った環境が禁欲主義(すといっく)すぎて、馬鹿がつくほど損な役回りをする。

 まあだからこそ姫も少しずつ、心を開いてきたのだろうが。

『じゃあサクくん、女のひとにお触りしたことありますかぁ?』

 シズルの声に、小僧と姫が極端に飛び上がった。

『ええええ!? ふたりはそんな関係!?』

『ち、違うの。ね、サク違うわよね!?』


 "違うと言って! あたしはずかしくて耐えられない"

 "そんなに否定しなくたっていいだろ!?"


 ずっ。

 
 
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