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終わらない夢
第1章 曖昧な夢
 ブラウスのボタンを外し、スカートを脱ぐ。

 キャミソールと下着姿になる。

「…綺麗です。とても…。」

 指先でキャミソールの肩紐を落とされ、ブラもはずされる。

「…あの、名前で呼んでもいいですか?」

 先生は私の頬や唇に触れる。

「…はい。麻友子…って、呼んで下さい。せ、先生は…宏哉さんでいいですか?」

「ええ。あ、あの…。」

「はい?」

「…はじめて、麻友子さんに会った時から惹かれていました。貴史君と入学式に来た時から…。すごく、気になっていたんです。」

 知らなかった。

 私より先に、好きになってくれてたの…。

「嬉しいです。」

 二人とも裸になり、肌の温もりを感じ合う。

 そっと、宏哉の肌を触る。

 英輝の、夫以外の身体をはじめて触る。

 サラサラとしていて、温かい。

「…麻友子さん。嫌なら、やめましょう。」

「いいえ…。続けて下さい。」

 

 宏哉の唇が、痛いほど尖っている乳首に触れる。優しくくわえられる。
 甘い痺れに、息を吐く。

「…はぁ…っ。」

 両手で双方の乳房を愛撫され、形を変える。

 舌でコロコロ転がし、歯で軽く食む。
 時に激しく、優しく吸い付く。
 その度に、身体の奥から快感が沸き上がる。

 夫とのセックスにこんな身体の変化はなかった

 義務的に子供を作るためのセックスしかしたことがない。

 愛の囁きも、お互いの身体の高まりもなかった。

 それでよかった。

 私の血をわけた子供さえいてくれれば、夫の愛なんていらないと思っていた。

 …今は。
 今は違う。

 この人を愛したい。この人に愛されたい。

 限りなく優しい愛撫に、堪えきれず甘い喘ぎをあげる。

「あぁ…こ、こんなに気持ちいいの…はじめて…っ。あぁっ…っん。」

 宏哉の手が、胸を離れる。

 痩せた脇腹を撫で、腰をさする。

 この一月でかなり痩せてしまった。

 食欲はもちろん無く、食べて生きることに罪悪感を持っていた。

 貴史はもう、何も食べられない。
 それなのに、私が食べて生きていていいのだろうか。

 宏哉の手は、脚の間をゆっくりと探り出す。

 長い指が、身体の一番敏感な花の芯をみつける。

 それは、固い未熟な蕾。

 未だ本当の快楽を知らない、美しい蕾を。
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