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花籠屋敷
第3章 来客の号外
桔梗が目覚めると屋敷の中だった…椿の双眼が此方を覗いてくる。
「大丈夫?桔梗、あなた洗濯場で倒れてたらしいわよ」
心配そうに眺められると、少しバツが悪くソワソワする。
「大丈夫です。少し寝たし今度こそ。大丈夫」
桔梗は起き上がって、寝台を抜けようとしたが、椿はそれを許さなかった。
「今は気を張ってるから大丈夫なだけ。頭を強く打ったのなら、今日暫くは眠ってなさい」
椿に、諭されると何とも言えない桔梗は、大人しく布団の中に収まる。
「今何時ですか?」
「五時頃ね…」
朝から何も食べて無い桔梗は、思い出した様に腹の虫が鳴った。
椿にも聞こえる様な大きな音だったので、桔梗は赤面し布団に隠れた。
「ふふっ、お腹もすいてるんじゃ尚更ね。待ってなさい。調理場見てくるから」
椿が部屋から出て行った。窓の外は夕暮れで、ランタンを照らして走る馬車が何台か見える。
部屋の扉が開いて椿がオニギリを持ってきた。
「嫌いなものって、なかったわよね」
手渡しで二つ受け取ると桔梗は早速頬張る…中身は焼き鮭だ…朝餉の材料の残りだろう
一切れまるまる使ったオニギリは美味しい。凄く贅沢だ…
「あっ、後桔梗に会いたいって言ってる人が居たんだけど、今通しても大丈夫かしら」
オニギリを夢中で頬張っている中、椿の質問に少し驚いた。
自分に会いたい人間など誰だろうか?
「大丈夫?桔梗、あなた洗濯場で倒れてたらしいわよ」
心配そうに眺められると、少しバツが悪くソワソワする。
「大丈夫です。少し寝たし今度こそ。大丈夫」
桔梗は起き上がって、寝台を抜けようとしたが、椿はそれを許さなかった。
「今は気を張ってるから大丈夫なだけ。頭を強く打ったのなら、今日暫くは眠ってなさい」
椿に、諭されると何とも言えない桔梗は、大人しく布団の中に収まる。
「今何時ですか?」
「五時頃ね…」
朝から何も食べて無い桔梗は、思い出した様に腹の虫が鳴った。
椿にも聞こえる様な大きな音だったので、桔梗は赤面し布団に隠れた。
「ふふっ、お腹もすいてるんじゃ尚更ね。待ってなさい。調理場見てくるから」
椿が部屋から出て行った。窓の外は夕暮れで、ランタンを照らして走る馬車が何台か見える。
部屋の扉が開いて椿がオニギリを持ってきた。
「嫌いなものって、なかったわよね」
手渡しで二つ受け取ると桔梗は早速頬張る…中身は焼き鮭だ…朝餉の材料の残りだろう
一切れまるまる使ったオニギリは美味しい。凄く贅沢だ…
「あっ、後桔梗に会いたいって言ってる人が居たんだけど、今通しても大丈夫かしら」
オニギリを夢中で頬張っている中、椿の質問に少し驚いた。
自分に会いたい人間など誰だろうか?