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花籠屋敷
第4章 分水嶺
「何が?…って言われてもな…全部ってしか言えねぇし…」

桔梗の質問に頭をかいて困った表情の藤丸。暫く頭をかいたまま思い巡らせれば、此方を見つめ答えを続けた。
「そうだな…目かな…目が良い…真っ直ぐに相手の中まで見つめる様な、痛い位真っ直ぐな目…なかなか居ないぜ、そういう風に、本当は如何だろうって、相手を見つめれるヤツって…」

そういうと藤丸は片手を桔梗の頬に添えてくる。桔梗は緊張で硬直し身動き出来なかった。強張る桔梗の顔を藤丸は笑い手を離した

「そんなに気を張らなくても良いだろ!もっと楽にしろよ。折角の美人も強張ってちゃ勿体ないぜ!ほら、美味いぞ!食え!」

完全に藤丸のペースに巻き込まれる桔梗。相手の褒め言葉に顔を真っ赤にする、と同時に女の様に褒められ嬉しさを覚える自分に嫌悪感を抱く…
複雑な気持ちを他所に藤丸は箸で卵焼きを食べさせに来る。
耳まで真っ赤にしながら口を開いて一口に食べれば、桔梗は俯いて小声で感想を漏らした。
「…美味しいです…」

其れからは、たわい無い会話をしながら藤丸の昼餉に付き合い、時間もそぞろにお開きとなった。
「またな桔梗ちゃん。夕飯前に会えれば良いけど、忙しいだろし…今度は夕餉の時楽しみにしてるな」

食べ終わった藤丸はそう言うと桔梗を見つめ、気持ちを振り切る様に話せば宴会場を出て行った。
桔梗は食台を纏め調理場へ片付けに戻る…次第に女性に見られる事の心の整理がつくと、運ぶ途中で溜息をついた。

洗い場で泡を立てながら食器を洗っていれば、他の女中達もお客の終わりに応じて食台を下げに入ってきた。桔梗は渡される食台を無心で洗う。暫く心を落ち着けたかった。
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