この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
花籠屋敷
第4章 分水嶺
桔梗は市場の木の檻の中で遊廓の単語を良く耳にした。自分も買われかけたが、男であった為に難を逃れたのだった。

「ごめん…別に愚痴を言いたいんじゃ無くて…一緒に考えて欲しくて…ほら、一生このまま!って出来る筈も無いじゃ無い…じゃあどうするの?って…私も何も見つからないけど…」

桔梗は野菊の漠然とした将来の不安を聞けば、同じ様に考えさせられた…将来?…これから?…桔梗もこれといった答えを出せなかったが、身を売る事について悲観的な考えを捨てる事は出来た。自分のお金を作れる…その唯一の方法…

「ううん…野菊ありがとう…野菊、ちゃんと生きていたいんだよね…僕も、何も答えは見つからないけど…一生女中は嫌…ちゃんと生きたいって思うよ」

二人はなんとなく将来を思えば、お互いを思い合えたようで少し笑えた…二人で少し笑い合うと桔梗は急に大事な事を思い出した…大事だが、とても恥ずかしい事…顔を赤くしながら桔梗は野菊に尋ねる。

「野菊…教えて欲しいんだけど…」

「顔赤くして何?桔梗?」

「あの日使ったポンプって…どこにあるの?……中、綺麗にしとかないと…」

「んふっ…あはは!…ごめん!ごめんね!桔梗!笑っちゃいけないんだけど!…ちゃんと準備しようとしてるの可笑しくって!…大変だよね!女の子より!」

桔梗は更に顔を真っ赤にするが、自分でも抱かれる為に準備を整える自分の姿が滑稽で、野菊を怒る気が起きなかった。

喫茶店から出る頃には夕餉の時刻も近づいて来た。
桔梗は野菊からポンプを貰えば厠で腸を綺麗に洗浄して、夕餉の支度に向かう。

支度が終われば藤丸と夕餉だ…その後は……桔梗は深く考えないようにした。なるようになるだけだ…それに、ちゃんとお金を手に入れられる……食台に夕餉を乗せると宴会場へと進む。

「桔梗…頑張って…」

宴会場へ向かう途中、野菊が声を掛けてくれた。桔梗は気持ちを強く持つと藤丸の元へと食台を運び向かい合った。
/72ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ