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花籠屋敷
第6章 幕引き
まだ、昨晩の熱い夜の夢の中で誰も起きてはいない様だ。屋敷内は静かだった二人は広い日本風の浴槽を独り占めする


「温まるなぁ…朝風呂!」

「そうですね…」

静かな浴室内、まだ日が昇り切らない間で電灯が柔らかい光で湯煙の中をやんわり照らす。湯に浸かると桔梗は無心になれた。湯煙の電灯を眺めながらぼーっと温かい湯の感触を楽しむ。
湯船に浸かり緊張が解れてくると口も緩まるようだ…桔梗は申し訳無さそうに呟いた

「あの…ごめんなさい…」

「何が?」

「朝から仕事とか…無いんです…いきなりの事でつい…驚いて…嘘付きました…」

「ハハッ!なんだそんな事か!…別に良いさどっちでも…俺も今日で帰らねえといけねぇし…」

「帰るんですか?」

「いや、当たり前だろ…次の公演の練習もあるし…今日で最後だ」


藤丸がいなくなる…桔梗はその言葉に寂しさを覚える自分が不思議だった…だが、寂しいものは寂しい。少しの間沈黙が流れて、お湯の流れ込む音と雫の落ちる水音だけが響いた。
桔梗は寂しさに少し口を尖らせるも表情は崩さず浴槽の出口を眺める

「寂しいのか?」

「さっ、寂しくないです!ぜっ、ぜぜん!仕事ですし!大丈夫です!」

藤丸の意表を突いた質問に慌てる桔梗。慌てて首を横に振ってお湯の飛沫と天邪鬼な答えを放った。

「何だよ、仕事なら寂しいっていえよ。お客さんはまた会いたいって気持ちになるだろ」

「えっ?あっ、でもそんな……はい…寂しいです…ごめんなさい…」

桔梗は、藤丸の意地悪なアドバイスに渋々おうむ返しする…見つめてくる藤丸の目はまだ何か奥の手があるのか眼の奥が光った。

「本当に?」

「あっ、卑怯です!なんて質問するんですか!」

桔梗は真顔で問い詰められ顔が真っ赤になる。藤丸を非難するも、藤丸の表情は崩れない…

「本当に寂しい?」

「寂しいですっ!……本当はもうちょっと一緒に居たいですっ!」

「はははっ、桔梗ちゃん素直素直!素直が一番可愛い!」

藤丸の執拗な問い掛けに顔を真っ赤にしたまま降参する桔梗。浴室内には藤丸の楽しそうな笑い声が響きわたるのだった。



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