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花籠屋敷
第6章 幕引き
「水仙か…っていうか人数に差がありすぎだっつうんだよ…」座り込んでいた石楠花が愚痴を零しながら立ち上がる

「こっちは移動させたりとか色々人がいるのよ!本棚は拭くだけだから一人でもやれるでしょ!」愚痴を耳にしたのか水仙が眉に皺を寄せ鋭い剣幕で吠えた。

「はい、はい」水仙のヒステリックに溜息一つつくと石楠花は本棚の本を抜いて拭き掃除を始める。掃除進行度合いはようやく半分と言うところだ。まだ片側が残っていた。桔梗は先にハタキで本棚上の埃を落とす。水仙は他の女中を使って広間に並べられた机とソファーを動かしていた。床の掃除のためだ。ちょうど部屋の半分まで来た時だった。

「そこから先はもう床終わってるんで、落とした埃ちゃんと掃除しといて下さいね」と水仙の不機嫌そうな声…

「あっ…ごめんなさい。気を付けます」桔梗はあまり刺激しない様に謝ると本棚上を終わらせる。水仙と仕事をすると毎回こんな感じだ…神経が細かいというか…いつも不機嫌そうにピリピリしている。特に今日は虫の居所が悪いようだ…石楠花と一触即発の空気感に心配になる。

「野菊大丈夫か〜?あたいと交代する?」本を次々と抜いて床に積み上げていく石楠花のスピードに徐々に追いつかなくなる野菊。

「大丈夫ありがとう…あはは、運動不足だよね」野菊は何度か背伸びをすると石楠花に笑い、本の整理を始める。水仙達は床の雑巾がけを始めていた。水仙が雑巾片手に石楠花達に近づいていく。

「もう、床拭きに入って掃除も終わりなのにまだ終わらないの?本当にやる気あるの貴女達!」水仙の怒りが爆発した。石楠花と野菊を鋭く睨む。談話室内の時間が止まったように皆硬直する。だが止まらない人間が一人…

「てめぇ一人、人数囲ってさっさと進めてて当たりめぇだろうが…こっち三人でなるべく速くやってんじゃねぇか?」石楠花が睨み返した。

「だったら人数が足りませんって、言えば良いじゃないんですか?そもそも途中でハタキを放り出して座る人間がなるべく速くなんて良く言えますね」石楠花の不服に半笑いで水仙が答える。事実なだけに悔しそうに無言の石楠花
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