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花籠屋敷
第6章 幕引き
竹梅は少し溜息をつくと調理場の中へ戻り天婦羅を持って来てくれた。
「これ、鈴蘭が失敗して形悪いかき揚げ。二人で食べちゃって…証拠隠滅に一つお願いします」そう言いながら竹梅は歪で大きなかき揚げを竹ザルに乗せる。

「あっ…久しぶり…………」鈴蘭が後ろから顔を出す。前会った時よりも顔色はずっと良い。が桔梗の名前は覚えていないようで、もどかしそうに口をパクパクさせている。

「桔梗だよ鈴蘭君!…鈴蘭君はかき揚げの形を良くしようと欲張って具を継ぎ足し継ぎ足ししてくから余計に歪に大型化しちゃうんだよ」竹梅が助け舟を出しながら後ろから覗く鈴蘭の首元を手の平で何度も撫でる…飼い犬の首を撫でるように…鈴蘭は満更でも無いようで、されるがまま撫でられながら表情変えず桔梗達を見つめていた。

「そろそろ…行こう桔梗…かき揚げありがとうございます。」野菊が不意に隣で桔梗の手を引いた。引っ張る手が意外に強く桔梗は驚いて着いて行く。

「うっ…うん…竹梅さんありがとうございます。」
「いやいや。不用謝(ブーヨンシェ)…感謝不要さー。またね桔梗君」
「バイバイ…桔梗…」手を引かれながら桔梗は振り向き感謝を告げる。離れていく桔梗達に笑顔で手を振る竹梅。鈴蘭も隣で顔を出して桔梗を見送った。

野菊に手を引かれながら廊下を歩く
「野菊…そろそろ手…昼餉落としそう…」手を引き続ける野菊に桔梗は申し訳無さそうに口を開く
「あっ…ごめん…手引っ張りっぱなしだったね…」野菊は桔梗の声掛けに気付くと少し驚いたように眉を上げ、手を離した。そのまま振り返ると少しバツの悪そうな顔をする
「桔梗…ごめんね…言いづらいんだけど…竹梅さん達とは…あんまり関わらない方が良いよ…」
普段、人の悪口を言わない野菊から出た言葉に桔梗は驚いた
「竹梅姉さん…あんまり良い噂は聞かないし……あの人は……」
「あの人は?」
野菊が含みを持たせるように間を空けた。桔梗は野菊の次の答えを問い掛ける…
「あの人は…薬専門だから…お店の地下でね…お客と女中に怪しい薬を使って稼いでる人…一緒に働いた訳じゃないからどれ位危ないのかはわからないけど…色んな薬使ってお客さんや女中を狂わせてるって…噂を聞くから…」
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