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花籠屋敷
第6章 幕引き
開始した庭球は笠松達に押され気味に進んでいった。
笠松は慣れているようで、椿が取りきれなかったボールを上手くコートの隙間に打ち込んで来る。
しかし、それより驚いたのは前衛の椿のカバー力だ。
女性ながら身長のある椿は長い手足を上手く使って、後ろで打ち返す藤丸の球を打ち返すのは勿論。前衛の桔梗の打ったボールも走って打ち返す事もやってのける。
「やるな、椿さん!でもその体力何時まで持つかな?」
藤丸が後方で大声を出した。
「まだ2、3ゲームなら」
汗を拭いながら椿は答える。呼吸の乱れはまだ無く余裕そうだ。
ゲームは終わらない。
一進一退の拮抗した黄球の応酬は、決着がつかぬまま藤丸達の帰りの時間まで延びていく…
太陽は熱い頂点から徐々に傾き、眩しい景色は赤い夕暮れに変わり始めた
「ちょっと待て!ラチがあかねぇ!」
笠松がサーブを始めようとする手を藤丸は静止する
「お前、勝ちたいからって卑怯だぞ!」
いきなり集中を邪魔する藤丸を嗜める笠松
「いや、もうそろそろ終わりにしねぇといけねえのに、一向に勝負つかねぇだろ!」
藤丸が眉間に皺を寄せる笠松にラケットを向け話す
「で、だ…このゲームをとったチームの勝ちだ!」
藤丸がドヤ顔をしながら高らかに宣言する
「俺達がリードしてるのにふざけるな!お前、今まで真剣にやってたのは何なんだよ!」
笠松が藤丸の宣言にラケットを向け返した
「ウ、ウォーミングアップ…」
笠松の反言に困りながら藤丸は口を開いた。
汗だくになりながら本気で黄球を追いかけ続けた時間をウォーミングアップの一言で終わらせようという藤丸の強引な魂胆に目の前で椿が吹き出す。何時も表情崩さない椿の笑顔は新鮮だった
「ぷっ…っくく…ふふふふっ!……分かりました。いいじゃない遊びなんだから、楽しくやりましょう。」
椿の言葉にしぶしぶ笠松は藤丸の提案に同意する
「っはぁ……わかったわかった!じゃあこの勝負とった方の勝ちだ!」
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