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花籠屋敷
第7章 異説・石楠花の客取り
「じゃあ、今日は宜しくなお嬢ちゃん」石楠花達は黒白格子柄の扉の前にたどり着く。これからの情事の緊張感から三人とも沈黙を保っていたが、扉前まで来ると徳山が興奮と期待を帯びた熱い視線を寄越す。石楠花の緊張と不安はピークだった。肩が勝手に震える。下半身に力が入らない…

黒白格子柄の…扉が開かれた…


石楠花は目を見開いた。扉の向こうの景色は…

鎖…首輪…手枷…足枷…目隠し…手錠…錘…口枷…鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!鎖!

頑丈そうな木造の寝台に椅子が一つ…あるのはそれのみ…だが異様な数の鎖と拘束具があちら此方の壁や天井から、のたうち…投げ置かれ…吊り下げられていた…

「はっはっはっ!これは良い!和憲!こんな店は俺も見た事無い!狂ってる!」常軌を逸した部屋の模様に徳山が猛った。石楠花は震える身体を片手で抱き締める。
………怖い!………
大量の鈍い銀の輝き…其れが既に石楠花の心を恐怖心で縛り上げた。
後輩の和憲も驚きを隠せないようで目を見開き、眼前に拡がる景色を理解しようと何度も瞬きをする。そんな後輩の戸惑いを他所に徳山は石楠花の手を掴むと部屋の中へ進んでいった。
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