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×アリエナイカノジョ×
第6章 ホンネの一コマ
 
 何が起きたのか理解不能。

「ふぇぇんっ。痛いよぉっ」

「あったりまえでしょっ」

 ボクの視界に、ショートヘアの後ろ髪飛び込んでいる。

「なぁんでぇぇぇ」

「アンタはこぉんなトコでなぁにぃをぉぉぉっ」

 いつもの葉山さんの口調に戻っている。

 その前で両腕を腰に手を当てて仁王立ちの女子。

「紗英だって大人だってとこを…」

「いつまでもその目障りな物……仕舞えぇぇぇっ」

 結城さん。

 背中で誰だかある程度分かっていたけど、その言葉で確信できた。

「一体美穂ちゃん……どっから……」

「いいから、さっさと仕舞えぇぇぇっ」

「にぇぇぇっ」

 ボクも知りたい。

 さっきまで、確かに誰も居なかった筈。

 隠れるような場所だって無かった。

「薄井くんも…何も…見てない。聞いてない。良いよねっ?」

 クルッと踵を返して見詰めてくる結城さん。

「は、はいっ」

 視線の鋭さに、頷くしか選択肢は残されてなかった。
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