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第7章 トマドイの一コマ
 
【美穂 View】

 強引かもしれないけど、正行にも何か考えて貰う事にした。

 立ち去る間際に薄井くんと何やらコソコソとしているのを見た限り、あまりアテには出来なそうだけど仕方ない。

「…やっぱりぃ?」

「……だよなぁ? まぁ、前より取っ付きやすくなった気もするけどねぇ」

「俺はどっちかと言えば引くかもなぁ………」

 廊下を歩いていれば、チラホラと話し声が聞こえる。

 男子も女子も印象は二分化。

 元々、敵なんて出来なかったあの娘。

「明け透けなのは良いと思うんだけどなぁ」

「なんかビッチみたいで印象ガタ落ちじゃ無い?」

「…何やってんだ…アイツは………」

 悪印象を耳にすると、思わず唇を噛み締める。

 あの娘が何を思って、あんな風に立ち振りまうようになったのか分からない。

 だけど、あの娘はあの娘。

 本質は変わっていない筈。

 だから友達で居続ける。

 周りの声に音を閉ざして、廊下を進み続けた。
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