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×アリエナイカノジョ×
第8章 ◆ Opening
「相変わらず、紗英のその元気はどこから来るのよ」
立ち止まった紗英の傍らに足を運び、ニコニコと笑顔を浮かべている紗英を見る視線は変わらず。
目尻にホクロのある細面の整った顔立ちに、肩まで伸びた明るい茶髪のストレートヘア。
紗英に負けず劣らず、綺麗とも可愛いとも噂される美穂。
紗英と並んで歩けば、更に男や女からの視線を向けられる容姿。
「昨夜も…いっぱいシちゃったから気分良くってぇ」
「…はいはい」
何がとは敢えて訊かない美穂。
…ホント…あからさまになったわよね…
何かを訊ねれば二言目には、可愛らしい外見とは裏腹に思春期真っ盛りの男子のようにイヤらしい単語を並べてくる。
並んで歩く二人を見掛けた何も知らない周囲からは、容姿等から羨望の視線や好意の視線を送られる。
「昨夜はすっごい太いバイ…」
「はいはい、分かったから言わなくて良いわよっ」
周囲を気にして慌てて紗英の口を塞ぐ。
朝から気苦労が耐えない美穂だった。