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×アリエナイカノジョ×
第1章 こんな一コマ
 
 見られたら恥ずかしいとか言っているクセに、薄いブラウスの下はノーブラで、短いスカートの下はスケスケ紐パン。

「…アンタの恥ずかしいって基準が分かんない」

 繊維が肌に触れるのがイヤだとか、家じゃスッポンポンだとか聞かされてはいたけど、やっぱり判らない。

「紗英も判らないんだけどね」

「自分の事なのにかっ!?」

 ツッコむアタシの頬が赤く腫れてるのはご愛嬌。

 どうせ直ぐに治る。

「あっ、美穂ちゃんっ。アレアレっ」

 無理矢理話題を変えに掛かってきた。

 窓際に走って行った紗英。

 後を追って、外を指差す先を覗き見て納得。

「相変わらず…だねぇ」

 思わず嘆息。

 僅かに離れたグラウンドに立っている二つの人影。

 一つは、やはりあの教師だった。

「やっぱり格好いいよねぇ」

「…はあ…」

「惚れ惚れしちゃうよねぇ」

「…はああ…」

 チラッと横目で紗英を見れば、ウットリした恋する乙女状態の顔になっていた。

 アタシには、良くても普通にしか思えないのに、何処が良いのか判らない。

「…てか……。よく…親にそういう事言えるよね………」
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