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×アリエナイカノジョ×
第9章 ◆ Scene01
「…ま、こんなモンよねぇ…」
最高レベルにまで達していた緊張感も、アッサリと霧散する。
自らの中で散々盛り上げてきたテンションも、もぬけの空となった教室を横目にすれば、だだ下がりなのも当然だった。
「まぁ…エロゲーやAVじゃあるまいし……ましてや小説とかの世界でも無いんだから、早々変な事なんて………」
誰も居ないにも拘わらず、盛り上がっていた気恥ずかしさから言い訳を吐き出す。
スクッと立ち上がり、短いスカートの裾をパンパンと叩き、あたかも何事も無かったかのように歩き出した。
…あー…誰も居なくて良かった…
如何にも平然を装っていた紗英だったが、歩みは若干速くなり、その顔は赤く染まっていたのだった。
パタパタと先を急ぐ紗英が立ち去った後。
そこには、紗英の顔写真が付いた一冊の小さな手帳が残されていた。
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