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×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
 
 頭上で繰り広げられる正行と女の攻防。


…幼馴染みなのに…友達扱いかぁ…


 美穂は正行の吐いた一言に表情を曇らせていた。

 彼女扱いとまで行かなくとも、多少は特別な存在として見られていたかった。

 しかし、正行の口からは、何の躊躇いも無く友達という単語が吐き出された。


…ま、まぁ…わざわざ関係を言うのも面倒だよね…
…友達だと言った方が無難だろうし…


 自分に言い聞かせる美穂。

「こんな女より、アタシの方が良いのにぃ」

 キッと睨み付ける女の視線に気付く素振りも見せなかった。

「ま、まぁ、悪いな。…てか、いつまでしゃがんでるんだよ?」

 差し出された正行の右手。

「あ、うん。ありがと」

 美穂はその大きな右手を掴み、妙な恥じらいからはにかんだのだった。


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