この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
…でも…もしかしたら…コイツにだって…
「ね、ねぇ?」
「んあ?」
ある思いが浮かび、視線を落とした儘で言葉を吐き出す。
「あ、あのさぁ。アンタって、き、気になる人…とか居るの?」
「影人?」
「そうじゃなくってっ」
何の躊躇いも無く影人の名前を挙げた事に、思わず美穂の顔が上がった。
「あ、アンタ…。マジで男にしかきょ、興味ないわけ?」
「あ、あぁ。…そーゆーつもりも無いけどなぁ。
クラスで周りの調子に合わせてたら、何かこのキャラを通すのも楽になっちゃってさぁ」
「じゃあ、女の娘とかに興味は?」
正行の言葉に一筋の光明を見出したとばかりに畳み掛ける美穂。
「ほら、委員長とか隣のクラスの娘とか、アンタと同じ係の………」
次から次へと正行に近い存在の女の娘を挙げる。
しかし、正行の表情は苦笑を浮かべるだけだった。
名前を挙げても表情を変えない事に、美穂は自分の名前を挙げずに居た。