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×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
…一応……幼馴染みなんだし……
…他の娘よりは近い筈だし……
…これで同じ反応されたら………
少しは特別な存在で有って欲しいと願う乙女心。
それが出せずに居た原因だった。
「じゃ、じゃあ、紗英は?」
「あぁ。葉山さんねぇ…」
「…む…」
紗英の名前を出すと、一転して悩むような仕草を見せた正行に、心中が穏やかで無くなった美穂。
「でも、葉山さんは影人がなぁ…」
「薄井くんがどうじゃなくって、アンタはどうなのよ」
影人が想いを寄せて居るのは分かっていた。
それでも、正行自身の気持ちが気になる美穂は、更に問い詰めた。
「ま、まぁ。明るいし…性格悪くないからなぁ……。それに……」
今までと違って、紗英に対して好印象を持っているとも取れる言葉が出て来る。
「そ、それに?」
明らかに態度が違う正行に、美穂の心中はざわめく。
「…あ……それより………」
「ん?」
「ずっと、白いの見えてる」