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×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
「アタシってば、またぁぁぁっ………」
枕に顔を埋めながら、両脚をバタバタと動かして悶える美穂。
正行と別れて帰宅してからと言うもの、恥ずかしさから手が出てしまった事に後悔し通しであった。
「ホントは…ホントは殴るつもりじゃなかったのにぃっ。何で手が………」
暴力に訴えるつもりは無かったのに、無意識に伸びていた腕が恨めしい。
何度も涙目になっていた正行の顔が思い浮かぶと、自責の念が強まっていく。
「はぁ…。こんなんじゃ…紗英の方が印象…良いよねぇ………」
体を反転させ、左腕を目に宛がって呟く。
…暴力的な幼馴染みのアタシより…
…明るくって…ちびっこいくせにボンキュッボンの紗英の方が…良いに決まってるよねぇ………
後悔が美穂に不安を抱かせる。
紗英の印象を訊いたときの饒舌になった正行。
自身の印象は不安の余りに訊けなかった美穂。
「…あんなのは…所詮…妄想でしか………」