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×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
 
「って…これくらい自分で行けば良いのに…」

 夕暮れも深まり、徐々に暗闇が支配し始めた道路を進む。

 いちいち服を着るのが面倒だという理由だけで、美穂はお使いに出されていた。

「アタシだって同じ様な格好だったのに………」

 しかし、母親に逆らえなかった美穂は、渋々着替えて外に出ていた。

 気温も下がり始めた風が美穂の肌を撫で付ける。

 肩や胸元も露わなタンクトップに、太腿も剥き出しのショートパンツ姿。

 ランニングでもするような服装は、小麦色の肌をした健康的な美穂には合っていた。

「でも…親があれなら…アタシだってまだ期待できるよねぇ………」

 胸元を見下ろして、母親の胸を思い浮かべて呟く。

 少なくとも、同年代の中でも充分に発育している胸。

 比較対象が紗英の爆乳だけに、自身も巨乳に分類されているとは気付いていない美穂だった。

「…全く育たなかったら…いっその事……あ…着いた」

 貧乳に悩む同性が聞いたら怒りそうな言葉をぼやき続けていれば、いつの間にか目的地へと辿り着いていた。
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