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×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
疑問その儘に口に出した美穂。
いきなり訊かれたことに、不意を突かれて影人が動揺するのも致し方なかった。
思わず足が止まる。
「そ、それは…」
口籠もりながら、震える手でコップを卓袱台へと載せる。
「まぁ、薄井くんが下着ドロとかするとは思ってないんだけどね」
薄く笑みを浮かべながら言葉を吐き出す美穂の顔が見れない。
紗英がオナニーをしていて忘れていったのを拾ったなどと言うのは憚【ハバカ】れた。
「そ、そんな事は…当然しないよ」
前屈みになった儘、美穂の前へとコップを置き、更に自身の前へと置く。
…流石に…葉山さんが学校の廊下であんな事してたなんて聞いたら…きっと結城さん………
紗英の身を案じた影人は口籠もるだけだった。
…あれだって…ちゃんと後でこっそり返すつもりだし………
紗英に怪しまれないような返却方法を考える事に頭を痛くしながら帰宅すればこの有様。
…今日はツイてるのか…ツイてないのか…分からないな………
美穂の正面に座ろうと身を屈めようとした時だった。
「…やっぱ、女装癖が…」
「ちょっとぉぉぉっ!?」