この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
×アリエナイカノジョ×
第10章 ◆ Scene02
ボソッと吐き出された美穂の言葉。
「きゃあぁぁぁっ!?」
座ろうとした矢先に、美穂の言葉に慌てて立ち上がった影人。
ガタンっとけたたましい音と同時に上がる美穂の悲鳴。
影人の膝に蹴られた卓袱台は美穂の方へと滑る。
上に載っていた二つのコップも美穂の方へと傾く。
卓袱台に因ってつんのめった影人の体と、コップが美穂に向かっていく。
「あっ! ゆ、結城さんっ、退い」
「いやぁぁぁっ!」
影人の言葉虚しく、影人の体は美穂に激突し、コップの中身はショートパンツに包まれた美穂の下半身を濡らしたのだった。
「ちょ、ちょっとおっ」
重さと冷たさに美穂の悲鳴が上がる。
「ご、ごめんっ」
卓袱台を乗り越えて、美穂に覆い被さるように倒れた影人。
慌てて体を起こそうと腕に力を込めた。
「…う、薄井…くん?」
「は、はい………」
間近で見る、美穂の整った顔立ちがニッコリと微笑む。
普段で有れば、その微笑みに赤面でもしていた所だったが、今の影人には恐怖でしかなかった。
ラブコメ宜しく、影人の右手は美穂の盛り上がった胸をギュッと鷲掴みにしていたのだった。
―――――――――
―――――
――