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×アリエナイカノジョ×
第11章 ◆ Scene03
 
 脇腹からの軽い衝撃に思わず顔を顰める。

「ちょ、なによ」

 不満を口に横を見れば、唇を尖らせて頬を膨らませる紗英。

「…あ」

 読心術再び。

 がきんちょだと思った事がバレたと瞬時に察した美穂は、紗英の大して痛くもない仕打ちに耐えたのだった。

「きっとまだ伸びるに決まってるもん」

「…絶対…上に伸びる栄養…そこに行ってると思うけど?」

 成長期に期待して望みを捨てていない紗英。

 それに対し、美穂の鋭い視線は自己主張の激しい紗英の胸に突き刺さった。

「てか、待たせちゃ悪いから、早く着替えなさいよ」

 他愛も無い遣り取りをしながらも、何だかんだと着替えを済ませていた美穂。

「えっ、ちょっと待ってよぉっ」

 それに対し、やり取りに気を取られていた紗英は、薄いキャミソールにブルマという姿だった。

 慌ててバッグを漁り、着替えを済ませようとする紗英。

「あ、あれ…?」

 しかし、バッグを漁りながら戸惑いの声を洩らしたのだった。


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