この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
×アリエナイカノジョ×
第11章 ◆ Scene03
ニカッと白い歯を覗かせながら二人に声を掛けたのは、やはり体操服姿の正行。
その数歩程下がった場所には、黒縁メガネに坊ちゃん刈りの影人の姿。
「あ、ゴメンゴメン」
「ちょっと遅くなっちゃった」
他の生徒達の姿も見える体育館。
学校で一二を競う容姿の紗英と美穂に加え、好感度では常に上位の正行が揃えば、周りの注目を集めるのも致し方なかった。
…今回は影薄くて良かった…
周りの注目になど堪えられそうに無かった影人は、更に存在感を無くそうと無駄に励むのだった。
更には、依然として紗英のショーツを返していない後ろめたさもあってか、今まで以上にその存在感は薄れていた。
「あれ? 確か…薄井くんも…一緒の筈だよねぇ」
近距離に居ながらも、影人の存在に紗英が気付かない程の効果。
最早、イジメとも取れそうなものだが、正行以外は殆ど認識していないだけに、そうとも言い切れないのが実状だった。