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×アリエナイカノジョ×
第11章 ◆ Scene03
 
 逃げ道を策略していた正行。

 しかし、考える必要も無いとばかりに、二人の間に美穂が体を捻込んできた。

「あらぁ。邪魔しないでくれるかしら?」

「こ、こんなトコで、何考えてんのよアンタっ」

「何考えてるって…。ただのスキンシップじゃないの」

 顔を紅潮させて捲し立てる美穂に対して、上級生は依然として余裕を見せた態度を取り続けていた。

「す、スキンシップって…。ここでしなくても良いじゃ無いのっ。アンタなに………」

「貴女…。先輩に対して口の利き方…ちょっと勉強したら? 少しは見逃していたけど、態度悪すぎないかしら?」

「だったら、もう少し先輩らしくして貰えませんかぁ?」

 突然態度が変貌した上級生。

 それに気圧される事無く言い返す美穂。

「…あれが修羅場ってヤツ?」

「土佐くん、モテるしねぇ…」

「許すまじ、土佐…」

「え、えっと…」

 周囲の囁きが耳に飛び込み、傍らに立つ正行は狼狽える。

 自らが当事者になると、使い物にならないイケメンだった。


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