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×アリエナイカノジョ×
第11章 ◆ Scene03
 
 息も整い、上体を起こして改めて問い掛ける。

 落ち着いて見れば、爽やか男子は上級生だった。

「あぁ。その事なんだけどね」

 教卓の上に腰を下ろす姿も、なかなか様になっている。

 一定の距離を置いて視線を向ける紗英に続けて言葉を吐き出した。

「ちょっと、君に手伝って欲しい事があってさ」

「紗英に…ですか?」

 何の接点も無かった先輩。

 いきなり手伝えと言われて、紗英が戸惑うのも当然だった。

「そ、お手伝い」

「で、でも、紗英………」

「なぁに、難しいことじゃないよ」

「でも、紗英に………」

「サエちゃんなら、簡単だって」

 ブルマの前で手を組み、無意識に撓わな胸を両腕で挟み込んで戸惑う紗英を前に、男子は笑みを絶やさなかった。

「い、一体…何を………」

 いつまでも躊躇していても話は進まないと判断した紗英の言葉。

 その言葉を待っていたかのように、男子は‘ニヤッ’と口角を上げた。

「あぁ。ある先輩のお手伝いを………ね」
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