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第11章 ◆ Scene03

　
　ポンと投げられた手帳は、紗英の豊満な胸に当たって手許に戻った。

　色々と良からぬ想像をしていた紗英にしたら、まさに拍子抜けだった。

「あれ？　何か…期待してた？」

　そんな紗英の心中を見透かしてか、先輩男子の薄笑いは止まらない、

「いえいえいえっ。な、何もないですっ」

　まさか、脅されてイヤらしい事を強要されるかもと想像していたとは言えない。

　紗英は赤く染め上がった顔をブンブンと左右に振るのだった。

「まぁ、サエちゃんがお望みなら…しても構わないけどね」

「そ、そんな、望んでませんっ」

　両手で手帳をギュッと胸元で握り締める紗英。

　ジャージを盛り上げる爆乳が強調されている事に気付いていない。

「ふぅん………。サエちゃんは好きだから、悦んでヤるのかと思ったけど」

　手帳の内容をしっかりと覚えている男子。

「ええっ!?　さ、紗英は…そ、そんな事………」

　無理矢理なんて望んでないと否定する紗英。

　しかし、手帳をギュッと抱えた胸は鼓動を速めていた。