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×アリエナイカノジョ×
第11章 ◆ Scene03
「ほら、もしかしたら…サエちゃんの方に付くかもしれないよ?」
「えっ? えっ?」
「今はアイツに頼まれたからやってるけどさぁ。
元々、そんなにアイツに義理立てしてる訳でも無いし。オレからしたら、待遇の良い方に付くかもしれないって事だよ」
薄い笑みを浮かべながら、次々と言葉を吐き出す男子。
「で、でも…。美穂ちゃんに伝えれば…それで………」
「それで事が済めば良いんだけどね………。場合に因っちゃあ…アイツ………」
まるで美穂の身に何か有るかもしれないという含み。
紗英の思考は更に渦巻いていく。
…こ、これって…紗英が頑張れば…
…美穂ちゃんは大丈夫って事……かな……
…でも…やっぱり紗英に…やらせたいのって………
教卓の上に座る先輩男子。
痩身にイケメンとも取れる顔立ち。
見た目は悪くない。
何かと誘導はしてくるものの、性格もさほど悪くは無かった。
紗英はチラッと視聴覚室を見回した。