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×アリエナイカノジョ×
第2章 この一コマ
ボクと違って180を越える高身長のコイツ。
爽やかな雰囲気に、筋肉質の体に短髪ツンツンヘア。
スポーツ万能と来たら、コイツがモテない訳が無かった。
黒縁メガネに坊ちゃん刈りで、身長も170ちょいの影が薄いとまで噂されているボクと仲が良いのもふしぎだった。
「なぁ…正行ぃ?」
「あぁん?」
遅刻ギリギリの時間帯なのに、チンタラ歩いて気怠い返事をするコイツ。
見下ろしてくる視線に若干の苛つきを覚える。
それでも様になってるから何も言えない。
「何で…正行はボクなんかと……連んでる……」
「おおっと。それは言いっこ無しだぜ、兄ちゃんよぉ?」
お前は何処のオヤジだ。
そう言い掛けたけど、ニカッと白い歯を見せる正行の笑顔が眩しくて言葉を飲み込んだ。
コイツはイケメン過ぎるだろ。
コイツこそ、可愛い葉山さんとお似合いかもしれない。
「影人と一緒に居るのはだなぁ…」
「…う、うん…」
思わずゴクッと唾液を呑んで言葉を待った。
「ずばり。お前の影が薄いのが見てて楽しいか…ごはぁっ!」
ニカッと笑う正行の顔面に、握り拳を突き出したボクは悪くない。
……多分。