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×アリエナイカノジョ×
第2章 この一コマ
 
「で、どうすんだ?」

 教室に着くなり、椅子を後ろ向きに跨いで話し掛けてくる。

「また…書くよ」

「懲りないねぇ…」

 正行の言う通り、また隣の結城さんの下駄箱に入れられる予感はしている。

 葉山さんの友達の結城さんも、葉山さんとは違う綺麗系の人だった。

 小麦色の肌にショートヘアで活発な雰囲気。

 それなのに、可愛いと言うよりも綺麗と言う言葉が当て嵌まる彼女。

 一度、葉山さんを呼び出した屋上に現れた彼女を見た時の感想。

「あの娘に悪気は無いから許してあげてねぇ」

 ニコッと微笑んだ彼女の顔に、一瞬ときめいた事は事実。

 それでも、やっぱり葉山さんを諦められない。

「と言うか…正行は何で彼女作らないんだ?」

 今でもクラスメートの女子の視線は、チラチラと正行に向けられている。

 また、このイケメンに殺意を覚えそうだ。

 コイツと結城さんのカップルもお似合いかもしれない。

 結局、彼女たちみたいな高嶺の花には、コイツみたいなヤツが相応しいんだろう。

「実は俺……前から影人のこ……ぐふぅっ!」

 最後まで言わせてなるものか。
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