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×アリエナイカノジョ×
第13章 ◆ Scene05
 
 長い付き合いだからこそ分かるものだと言う美穂に思わず肩を竦める正行。

 チャイムが鳴って自席へと着けば、隣の席に座る紗英へとチラッと視線を向ける。

 相変わらず、両手で頬杖をついている紗英。

 その表情は何処を見ているのか、傍目にも呆けているのが分かる。

 ボタンを数個外したブラウスの胸元から深い谷間を覗かせ、椅子に座る短いスカートは太腿を露わにさせる姿。


…いつもと…変わらねぇ…よな………


 思春期真っ盛りの男子には煽情的過ぎる姿。

 それでも、紗英に対する蔑視や好色な言葉などは、やはり正行たちには聞こえてこなかった。

 ただ、呆けている時間が多いと思えば、違和感があると思えなくも無い。


…まぁ…俺には分からねぇ女子特有の悩みとか…じゃ無いのかねぇ………


 美穂ほどおかしいとは思えない正行は、姿勢を崩して嘆息するのだった。
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