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×アリエナイカノジョ×
第13章 ◆ Scene05
 
 自宅へ着くなり、自室に直行して制服を脱ぎ捨てる。

 布面積が極端に少ないピンク色のショーツ一枚の姿になれば、自然と手がパソコンの電源を入れた。

 忘れようとしても忘れられない不安。

 最近の日課になりつつある、動画のカウンターチェックをすると、紗英は目を丸くさせて息を吞んだ。

「ちょ、ちょっとぉ………」

 パスワードを入れなければ辿り着けない筈の動画ページ。

 そこに表示されているカウンターが数時間前よりも多い数字を表していた。

 少なくとも一人二人が観ただけでは増えそうに数字。

 途端に速まる鼓動。

 椅子に座った太腿をギュッと閉じて、画面を食い入るように見詰める。

「き、気の…せいだよねぇ」

 画面を更新させる。

「うぁ………」

 一つどころでは無い数字の跳ね上がり方に、紗英は顔を熱くさせる。

 パスワードが洩れていると確信すると、その熱さは増していく。

 慌てて携帯を手に取り、メールを作成しようとしたところでその手は止まった。
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