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×アリエナイカノジョ×
第3章 ホントの一コマ
両膝に手を着いて息を整える。
校舎裏と言えば不良。
カツアゲとか、イジメの温床だったりする場所。
そんな場所だと思って、今まで一度も来たことは無かった。
「………うん」
普通に誰も居ない、プレハブの物置が有るだけの場所だった。
花壇がある事から、園芸部とかが使っているのは分かる。
後は木が植わっている。
…以上。
ドラマやアニメの様に、ベンチがあるとか恋人たちがイやぁんな展開を見せているなんて事も無い。
「…ふぅ」
取り敢えず、美穂ちゃんから逃げ切れた事で一息吐く。
物置の扉に寄り掛かって改めて見回すけど、美穂ちゃんが追い掛けてくる事も無かった。
校舎を見上げて見ても、廊下から此方を見るような人影も無ければ、通る人影も無かった。
特別校舎の裏だけに、音楽とかの授業が無ければ誰も通らないのも当たり前だった。
「…美穂ちゃんと次に会うの…ヤバいなぁ…」
あのオーラを纏う美穂ちゃんには出来るなら近寄りたくない。
思わず身震いした時だった。
「あのぉ………」