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×アリエナイカノジョ×
第5章 カノジョたちの一コマ
揃って溜息を吐くなんて、やっぱり仲が良い二人。
「あ、あの……」
「あのさ、コイツ薄井影人って言うんだよっ。
仲良くしてやってくれると有り難いなぁ」
正行くんが薄井くんの肩を抱いて迫ってくる。
「う、うん。宜しくね」
何か勢いが凄く、思わずたじろいだ。
「ってか、アンタも紗英にちゃんと紹介してないんだけど?」
いつの間にか隣に来ていた美穂ちゃんのジト目。
名前は美穂ちゃんが呼んでいるのを覚えていただけで、確かに初対面。
「あ、あぁ……。オレは土佐正行って言うんだ。宜しくねぇ」
白い歯をキラッとさせた笑みを見せるとか、やっぱりイケメンだ。
外見で判断はしてないけど、何となく良い人っぽい。
「う、薄井…です。よろしく………」
肩を抱かれた儘でボソッと言う薄井くん。
余りにも土佐くんの印象が強すぎて、薄井くんの印象が薄いのは気のせいなんだろか。
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