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×アリエナイカノジョ×
第5章 カノジョたちの一コマ
「…でさぁ、この前はねぇ………」
「だから言ったろぉ」
なんだ、この状況。
折角だからと、四人でファミレスに来ている。
向かいに美穂ちゃんと土佐くんが並んで、話に華が咲いている。
二人は幼馴染みだった事が判明した。
だったら、仲が良いのも頷ける。
「………」
チラッと横を見れば、俯き気味に赤い顔を伏せた儘の薄井くん。
熱は大丈夫なんだろか。
「あ、いや…熱は………」
訊いてみても、更に顔を赤らめて口籠もるだけ。
大丈夫なら良いんだけど会話が続かない。
「だからいつも言ってるでしょぉっ」
「分かった…分かったからっ」
「………」
「…ズズゥッ………」
テーブルを挟んで対照的な二人組が二つ。
何であの二人はくっつかないんだろ。
そう思わずにはいられない。
「…ズッ…ズズズズズゥッ……」
オレンジジュースが無くなった。
お代わりしてこよう。
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