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×アリエナイカノジョ×
第5章 カノジョたちの一コマ
 
【美穂 View】

 こんなにコイツと話したのは何時以来だろう。

 学校で会ったときは、ほんの数分だけの会話。

 昔と違って、お互いの家を行き来する事もいつの間にかしなくなっていた。

「だから、また今度なぁ」

「絶対っ、絶対今度だからねっ?」

 アタシの勢いに、白い歯をチラッと覗かせて苦笑するコイツ。

 昔より更にイケメンに拍車を掛けてるのは間違いない。

 こんな顔も良くて性格も悪くはない。

 何で女の噂が聞こえてこないんだろう。

 聞こえてきたら悔しいだけだけど。

 アタシがコイツと話してばっかり居るからか、紗英がグラスを片手に席を立った。

 余り相手をしていない事に悪い気はするけど、アタシだって攻めるときには攻めておきたい。

「紗英、ゴメンねぇ」

 小さい声で紗英に謝っておく。

「で、いい加減影人も考えてくれたか?」

 紗英が居なくなった途端、薄井くんに話しかける正行。

「何のこと?」

 話の内容が想像出来るわけも無かった。
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